1. 緑蔭をまとう家由緒ある別荘地、カラマツを主体とした森の中の敷地に計画した住宅。豊潤な森の中にあって落ち着いた時間を過ごす空間を囲いとりつつ、光と風、そして美しい木立を満喫できる空間を設えた。枝葉に直接抱かれるような位置にある2階テラスにおいてのみならず、スキップフロアの立体構成と開口部配置の工夫により、メインフロアとなる1階からも、高さと奥行き感を伴った、清々しい木立を感じることができる。 森の木立、濃密な茂み、美しい葉々の重なりとこれらによりつくりだされる蔭、これらは建物のガラス面へ映り込むだけでなく、ガラス以外の壁面にもその姿が落とされ、この家全体を包み込み、木々の葉の重なりとその揺らぎ、紫翠の森がもたらす緑蔭そのものをまとう家となる。
  2. 今様組格子の間低層マンションのインテリア改修。空と緑を感じつつ、周辺建物に対する徹底的な視線の制御を目的に、調度品との完璧な調和を目指しつつ、組子パネルとテキスタイルによる多層のスクリーンを設え、くつろぎの場を構築した。
  3. 崖上のステージ太平洋を見渡す別荘地に計画した住宅。海への眺望を最大限にするため、森の上に張り出した空中テラスのような空間を、木造で実現すべく、一般的な材料を用いた立体トラスのような方杖形式を考察した。トラスの斜材のための空間は、小屋組空間と、既成コンクリート部材から支持して宙に浮かせた床下とで、有効かつ大胆な架構となった。
  4. 古都の別墅風情ある街並みにあった古ビルのコンバージョン。下階を簡易宿所、上階をオーナーの居間として改修。機能的にミニマムながら、古都の町における居場所としてふさわしい造作を設え、モダンテイストとの調和をはかった。
  5. コーナーツリーの家敷地にあった桜の大木を生かし、様々な居住空間から樹木を感じられるように複数のレベルの床を設定し、各所のつながりを十分に確保した、軽やかなスキップフロア構成の住宅。家全体が吹き抜けでつながっているような空間構成により、家族がいつも互いの様子を感じながらも、個室や籠りコーナーなど、プライベート空間やそれぞれの居場所の距離を確保することで、明るく風通しよく、快適な住まいを構成した。
  6. フォレシティ東麻布東京タワーの間近に計画した集合住宅。市場に訴求するコンセプト形成において特に断面構成を考察し、L型の平面と断面的なL型空間が共存する住戸を立体的に入れ子に組み合わせる全体構成を考案した。平面的に建物のかどを占めながら上部へ1.5層吹抜け、あるいは足下へ1.5層空間がひろがるかぎ型ボリュームの入れ子構造とすることで、都市生活者の想像力を最大限に引き出し、いくつかのルール設定によって半ば自発的に自然な多様性がデザインされていく住居空間を実現した。
  7. Septem都心住宅街に計画された重曹長屋形式のコーポラティブハウス。比較的建て込んだ立地にあっても、外部階段とドライエリアを立体的に組み合わせ、どの住戸にも光と風が潤沢に送り込まれる構成を実現した。各オーナーの個性あふれるテイストを盛り込んだ住空間は賃貸住宅として機能する住戸もある。
  8. 狛江の集合住宅 エントランス中堅ディベロッパーマンションのエントランス設計と外観監修を担当。アルゴミックデザインをアプローチ空間に応用した。
  9. ガーデンパサージュ広尾東西に90m、高低差13mに渡る敷地において、立体的に連続するテラスハウス構成と、道路から見て奥側にある住戸へのプローチとなる路地空間〜パサージュをガーデンと見立てた潤沢な共有空間、さらに断面構成の工夫によりエントランスや駐車場を計画した集合住宅。各住戸は、構造形式の検討により室内外が一体的に捉えられる中庭形式としている。
  10. cMA-1写真スタジオとして使われていた建物に改修と増築を施した、集合住宅へのコンバージョン。スタジオの階高4.5m、一般部分の階高3mを内包しつつ、部屋として分断されて認識されていない躯体のポテンシャルを生かし、一部の界壁を取り払って構造補強を行いながらスキップフロアの居住空間に再構成した。
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